私の地元、東京都府中市のゴールデンウィークと言えば、「くらやみ祭り」です!
1900年以上前に創建された大國魂神社を中心に、町内各所で盛り上がりを見せる例大祭。
武蔵国時代の国府祭が起源とされていて、室町時代の書物にも名前が書かれています。
関東三大奇祭の一つで、府中市民としては毎年恒例の行事。
都の無形民俗文化遺産になったこともあって、年々見物客が増えているお祭りです。
特に今年(2018年)は、一番の盛り上がりを見せる5日・6日の神輿渡御が土日という事もあって、非常に多くの人が神輿を担ぎ、盛り上がりをみせていました。
今回は小池東京都知事も見物にいらしていました。
武蔵国の国府が置かれていた府中。
大國魂神社は武蔵国内の6つの神社の祭神を合わせ祀っている事もあり、「六所宮」とも呼ばれています。
「神様を見ると目が潰れる」という言い伝えもあり、かつて神輿の渡御では町の明かり全てを消し、暗闇の中で行われたことから、今でも夜~明朝にかけて神輿渡御が行われています。
現代でこそ、街灯や店舗の明かりがありますが、当時は本当に真っ暗な中お祭りをしていたのでしょう。
「くらやみ祭り」とは、この風習から付いた名前です。
そのため市内中心部の4つの町にとっては特に愛着があり、神輿と大太鼓を受け持ってきたという時代もありました。
現在は、小金井市や調布市、埼玉県や神奈川県の皆さんのサポートをあり、広域で愛されるお祭りとなっています。
なので、よくあるお神輿を担ぐ専門屋「担ぎ屋」はなるべく入らないようにし、各神輿を受け持つ地域の方で担ぐように努力がされています。
しかし世も世。
残念ながら高齢化が進み、世代交代は上手くいっていません。
若手で入ってきた人でも、ある程度時間に余裕のある方が中心。
カレンダーによっては、どうしても6日という事もあって、お仕事のある方もいらっしゃいます。
そのため近年では、府中基地の自衛隊の皆さんにご協力いただいている面もあります。
まぁ正直なところ、自衛官の皆さまは礼儀が正しいともあって、迎えるお休み処などは非常に助かっています。
神輿渡御では、6つの祭神が集まる事から、6基の宮神輿と、御本社、御霊宮をあわせた8基のお神輿が町を練り歩きます。
これらの神社というのは、有名な神社も含まれているんですよ。
- 一ノ宮・小野神社(東京都多摩市)
- 二ノ宮・二宮神社(東京都あきる野市)
- 三ノ宮・氷川神社(埼玉県さいたま市)
- 四ノ宮・秩父神社(埼玉県秩父市)
- 五ノ宮・金鑚神社「かなさなじんじゃ」(埼玉県児玉郡)
- 六ノ宮・杉山神社(神奈川県横浜市)
そして「武蔵総社・大國魂神社」となるわけですね。
お神輿と並んで、このお祭りのもう一つの見所が大太鼓。
6張の大太鼓が、神輿渡御の神輿を先導し町内を練り歩き、威勢よく打ち鳴らされます。
この大太鼓が大きいこと、日本一の大きさを誇っています。
- 御先拂御太皷・皮面直径:2m20cm 全高3m14cm 昭和60年製作 材質:ブビンガ
- 御本社一之宮御太皷・皮面直径:1m29cm 全高2m02cm 昭和27年製作 材質:欅
- 二之宮御太皷・皮面直径:1m85cm 全高3m00cm 昭和52年製作 材質:ブビンガ
- 三之宮御太皷・皮面直径:1m81cm 全高3m03cm 平成2年製作 材質:ブビンガ
- 五六之宮御太皷・皮面直径:1m87cm 全高3m12cm 平成6年製作 材質:ブビンガ
- 御霊宮御先拂御太皷・皮面直径:1m56cm 全高2m36cm 昭和9年製作 材質:ミネバリ
間近で太鼓の音を聞くと、体全体に響くような、非常に心地よい音がします。
他にも、3日には「競馬式」。
4日には子供神輿に、青年会が中心に毎年の出来栄えを競う万燈大会。
府中の郷土芸能にもなっている府中囃子が行われる22台の山車行列。
全てを語るにはまだまだ物足りませんが、その迫力と盛り上がりを体感するには、ゴールデンウィークにぜひ府中へ!
ちなみに、来年は5月1日に「新元号」に変わり、おそらくではありますが、初めての例大祭となります。
準備には問題がないとは思いますが、特別な回になるのは間違いありませんね。